錦織圭2018 ブレイクバック① “チャレンジャー”
とんでもまるです!
めちゃくちゃありきたりなタイトルで、他の方とやたらめったら被りそうなもので恐縮ですが…。
ゆっくりと2018年の錦織圭を振り返っていこうかなと思いまして。
2017年8月 右手首の腱を脱臼 長期離脱へ
8月13日 シンナシティでサーブの練習中だったそうです。「パン」と弾けるような音を聞いたと錦織は語ります。
実は、公式発表の前から手首を抑えて痛みに苦しむ錦織の写真が出回っていました。
「ただごとじゃない」 それがすぐにわかるような表情でした。
その後、腱の裂傷を公に明らかにして、シンナシティから全米・楽天を含む2017年シーズンの全てを終了することを発表。
ファンとして錦織の怪我には慣れっこというか、何度も何度も怪我から立ち直っているのを見てきたわけですが、少なくとも半年以上の離脱を取るのは、19歳で手首の手術をして以来のことでした。
ワウリンカ、マレー(公式発表は錦織より後ですが)、ジョコビッチまでもが長期離脱を発表している中、錦織まで続いてしまった。前年にはフェデラーも夏に離脱していましたし、長く第一線で活躍していた選手の多くが悲鳴をあげているのが分かり、辛い時期だったのを覚えています。
2017年4月には西岡良仁も膝の靭帯を損傷し離脱していました。ただ杉田が本当に頑張ってくれていましたね。アンタルヤでの優勝、マスターズでも勝ち進んでいましたし、デビスカップでも日本をワールドグループに押しとどめてくれていました。
さて、とにかくファンが気にしたのは怪我の程度でした。
手術が必要なのか?復帰にはどのくらいかかるのか?そして、元のプレーができるようになるのか?
僕は錦織圭本人の不安を勝手にちぎって、画面の前で不安にかられて必死に情報を探しました。
手術が必要だとか必要じゃないとか、色々な情報が錯綜しましたが、結局チーム錦織はベルギーでの保存療法を選択したようです。
ともあれ身体にメスを入れないことがわかったので一安心した反面、それで本当に完治するのか?という不安を僕は持ったまま…。
錦織が出場しなかった2017年夏以降のBigニュースとしては、個人的にディミトロフとソックのマスターズ初優勝です。もちろん2人ともマスターズを取ってもなんら疑問のない実力を持つ選手ですが、決勝でナダルやジョコビッチに優勝を阻まれてきた錦織を思うと 「彼らがいないトーナメントに、錦織がいれば……」と思ってしまいました。
ディミトロフはツアーファイナルの優勝カップさえ手にしました。彼にとっては本当に素晴らしいシーズンだったと思います。ディミトロフも一時期ガクッとランキングを下げましたし、苦労して英杯を勝ち取った選手ですね。
ちなみに2017年ドリーム有明で、錦織はラケットを持たずに審判役ということで公の場に出てきてくれました。
先輩風を吹かせながら(?)楽しそうに錦織節で審判をやっていたのが印象的です。ファンとしては嬉しい姿でした。
ただ、もしかしたらラケットを少し持ってくれるかも…?と勝手な期待をしていただけに、僕はまた右手首の状態を不安に思ってしまったところもありました…。
2018年 “チャレンジャー”
錦織は復帰の目処も立たず、今度は2018年の全豪オープンに間に合うのか?という話題が頻繁に出てくる時期まできました。
ただ、復帰がいきなり全豪オープンというのはタフなお話だったので、現実的じゃない。
なら、いつ復帰するのか?
錦織は「2月、3月になるかもしれない」と、手首を100%にするまで待つことを語っていましたが、もう僕としてはランキングばっかりが気になります。
それでは確実に50位を割る。ランキングが下がれば下がるほど、復帰の道は困難です。
そもそも復帰できるのか?元のプレーが見られるのか?やっと戻っても、50位前後で苦労するんじゃないか? 心配はつきません、
実際1月の早い段階で、錦織は全豪をキャンセルすることを発表しました。
そして、やっと復帰の情報が入ってきました!!新しい足を寄せないサーブを引っさげて、復帰する大会は全豪オープンの裏 ニューポートビーチ、なんとチャレンジャーの大会!
当時の錦織のランキングは24位 もちろん第1シードで、この大会の第2シードだったティアフォーの当時のランキングは81位でした。
明らかなレベル差があります。ツアー選手がチャレンジャーに出るのは本当に異例のお話でしょう。
それほどチーム錦織は復帰の道を慎重に選んでいだのだと思います。
錦織が復帰してくれる喜びと、ツアーレベルには戻れていない現実の両方を味わいながら…試合のその日を待ちました。
実は過去に、ツアー選手でありながらもチャレンジャー大会を足がけに復活に挑んだ選手がいたそうです。
その選手こそがマイケル・チャンでした。
つまり錦織がチャレンジャーを復帰の第一歩に選んだのは、チーム錦織の作戦
だったんですね。本人のために何が最良なのか? それを考えてくれるチームで、最高だな…としみじみ。
黒星
そうして挑んだ、ニューポートビーチチャレンジャー 1回戦
対戦相手は当時世界ランキング238位のデニス・ノビコフ 2016年のロジャーズカップでは錦織が勝利し、1勝0敗の戦績を引っさげての戦いです。
WOWOWオンデマンドが放送してくれることになったので、朝早く起きて待ちに待った錦織の復帰戦。
緊張と不安 捨てられない希望を持って、スマホの画面を見つめました。
結果は、3-6 6-3 4-6のフルセットで錦織は1回戦敗退
サーブ、フォア、バック 全てゆったりとしたスイングでした。
いつものように、“潰して飛ばす”ショットではなく、ゆるく“当てて飛ばす” ……1つ1つを確かめるように。
対するノビコフは全力 雑さもありますが、速く、重いボールを打てていました。
途中から、とにかく痛みが出ませんようにと。再発しませんようにということを祈りながら。
復帰戦を白星で飾ることはなりませんでした。
現実に突きつけられた復帰の難しさ この状態が続くなら、到底ツアー選手には勝てない…。相手がラリーにそこまで付き合ってくれない選手だとは言え…ここまで自分のプレーができないとは……。
復帰してくれた嬉しさと「まだまだこれからさ!」という希望がプレーを見るたびに不安に侵されます。
当の錦織本人がどのような気持ちでプレーしていたのかはわかりません。
ただ復帰してすぐに全豪で優勝したフェデラー、決勝に行ったナダル そして全豪4回戦で敗退したとはいえ勝ち進んでいたジョコビッチを今まで見てきましたから……。
彼らがいかにスペシャルなプレイヤーであるか思い知らされました。
今思えば、たった1大会で錦織という男を見ようというのは愚の骨頂であったわけですけど…。
とにかく当時は、今後、錦織はどうなっちまうんだい??という不安を(勝手に)抱えて、復帰戦2大会名 ダラスチャレンジャーへと希望を託すよりなかったのです……。
つづきます

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